2007年06月21日
六 PART.6

ヨウヤク復刻仕様決定! ツイニ予約受注開始!
2006年春、バンダイホビーセンターの資料の中に、「もうこの世には存在しないはず」と言われ続けてきた電動「ゼロX号」プラモデルの金型らしき記載があることを、柿沼秀樹氏が発見した。そこからすべてが始まったこの「復刻プロジェクト」は、一年以上の時間を経過し、とうとう大詰めを迎えた。
最大の難関は「ゼンマイボックスの復刻」だった。なにしろ、国内にはゼンマイメーカーはすでに存在していないのだ。新規金型を作ることは可能だろうが、問題はコストだ。復刻できてもコストが高すぎてはファンの元に届けられない。一旦は「動力メカを省略してのディスプレイモデル化」という復刻案も検討されたが、「それでは魅力半減ですね」という伊藤秀明さんの声にプレッシャーを感じつつゼンマイ復刻に挑戦。組み立てができる職人さんも見つけ、ついにコスト的にも実現可能なところまできた。
ここまでくると、読者の皆さんが気になっているのは「商品仕様」と「販売価格」だろう。まずは「商品仕様」について報告したい。商品仕様のキイワードは「完全復刻」とした。できる限り当時の状態に近づけた復刻の方が、ファンが喜ぶと明確にわかったからだ。
■成形品?40年前の金型を磨き上げたもので改造は一切なし。ボディに刻印された「IMAIKAGAKU」もそのままだ。唯一「?ITC」という版権元表記が追加刻印される。独特のブルーの成形色も、当時の物にできる限り近付ける。
■金具パーツ?ゼンマイボックス、モーターギアボックスは新規金型による復刻再現。これは図面が現存していなかったために、現物を分解し採寸して新規設計した。
■パッケージ?サイズはもちろんデザインも40年前に今井科学から発売されたままを再現する。パッケージサイズは、横500ミリ×縦305ミリ×高80ミリにもなる。
■その他?ゼンマイボックスが納められる中箱、パーツビニール袋口紙、ゼロX号のイラスト入り帯、組み立て説明図等、すべてが40年前のままの復刻となる。もちろんスライドマークも付属する。

さて、復刻仕様は決まったのだがここに来て問題点が出てきた。参考にすべき当時のキットが手元にないのだ。頼りの伊藤秀明さん所有のキットは、「サンダーバード展」で全国巡業中、帰ってくるのは随分先のことだろう。なんとか手に入れなければならないが、ネットオークションに出品されるはずもない。困っていたところに、一本の電話が入った。電撃ホビーマガジンを読んで「ゼロX号を復刻するんですね。嬉しいなあ…」というコレクター氏からだった。聞くと「ゼロX号」を所有しているという。なんとタイミングが良いのだろう! そこで、柿沼氏を隊長とする私たち「宝の山発掘隊」(今、勝手に命名)は、さっそく件のコレクター・宮田正美氏の自宅を訪れたのである。
行ってみてびっくり! 宮田家には超貴重な絶版プラモが山のように積まれ、まさに「宝の山」状態なのだ。そこに私たちが求める「ゼロX号」はあった。しかも“2個も”である。ひとつは、とても40年を経過したとは思えない美麗な状態で保存されていた。プラモデルを愛してやまない宮田氏の愛情のおかげだろう。
「ゼロX号」のパッケージは、ホッチキスで留めるのではなく「折り箱」といって、端を内側に折り込む方式であるが、その仕様が幸いした。宮田氏は、パッケージを広げ平板状態にして、デジタルスキャニングしてくれる約束をしてくれたのである。このデータを元に色補正を行ない、印刷原稿とするのだ。ホッチキス止めだったら平板状態にすることは、おそらく断られたに違いない。40年前の今井科学の仕様にお礼を言いたい。さらにパッケージのみならず、組み立て説明図、口紙、中箱、帯もすべてデジタルスキャニングしデータ化していただけることになった。
しかし、そんなこちらの熱い思いで決めた「当時のままの復刻パッケージ」を、版権元が許すのだろうか? 私たちは不安を抱きながら3月の初旬、東北新社さんを訪れ、商品仕様の説明を行なった。結果はなんと「OK」であった。東北新社さんの寛大な判断に感謝したい。
じつは、「ゼロX号」の版権は少し複雑である。発売当時は『国際救助隊サンダーバード』の「ゼロX号」という扱いなのだが、現在は『キャプテンスカーレット』の「ゼロX号」という扱いとなっている。したがって今回の商品名は、「キャプテンスカーレット ゼロX号」となるのである。それでは、スキャニングする箱データは何なのかというと、【復刻記念付録】という扱いで許諾をいただいたのである。つまり、当時のデザインのままに復刻された「国際救助隊サンダーバード・パッケージ」の上に、版権としては正規のパッケージである「キャプテンスカーレット・パッケージ」が被せられるのである。「男の復刻倶楽部」ならではの配慮である。


文/加藤 智(トイズワークス)
月刊電撃ホビーマガジン6月号(メディアワークス発行)
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投稿者 TOYSWORKS : 2007年06月21日 11:41
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