« 弐 PART.2 plus! | メイン | 参 PART.3 plus! »

2007年04月05日

参 PART.3

00301.jpg
ついに金型設計図面発見!! 電動走行ギミックを解明する!!

 映画『サンダーバード』に登場した「火星探検機ゼロX号」の電動プラモデルは、映画公開からわずか4カ月後の11月下旬に今井科学から当時1200円(モーター電池別)で発売された。当時の月刊漫画誌の定価は200円で、週刊漫画誌が定価60円、公務員初任給が2万3000円の時で、平均2〜3人兄弟のいる子供の1カ月のお小遣いは200〜300円程度。つまり電動ゼロX号プラモは、4〜6カ月分のお小遣いに相当し、67年のクリスマスに頼むか、68年正月のお年玉を工面しなければ買えなかった高価なプラモデルであった。全長&翼長43cmもある電動ゼロX号プラモは、映画と同様に1号翼、2号翼、主胴体部、耐熱ノーズコーン、探検車との5つに分解組立て可能で、主胴体後部に内蔵したRE−14モーター、単三電池2本で車輪走行し、探検車はゼンマイ走行、1号翼と2号翼の下部のジェットコーンがミサイルとしてスプリング発射する優れ物だった。
 今井科学は1966年12月にゼンマイ動力「サンダーバード2号」のプラモデルを発売して、1967年5月までに『サンダーバード』メインメカのプラモを次々に発売。7月から電動「ペネロープ号」、8月に電動「ジェットモグラタンク」と電動「イージーキット サンダーバード2号」を発売すると同時に、定価50円の隊員マスコットプラモと並行し、380〜600円程度の電動『サンダーバード』プラモデル・シリーズを展開していた。電動「火星探検機ゼロX号」プラモは、1967年の年末&68年お正月セールの目玉商品として、急ピッチで製造&発売された今井科学67年末のイチオシの『サンダーバード』プラモデルで、当時MBS/TBS系で再放送されていたTV『サンダーバード』では、映画と同じように組立てられる電動ゼロX号プラモデルのCMが放送され、強烈な印象を子供たちに与えた。といってもお小遣い月200〜300円の子供たちの多くは、定価1200円の電動「ゼロX号」プラモを買えた者少なかったに違いない。多くの子供は、約1年後の68年9月に発売されたミニゼンマイ動力で全長約17cmの「ミニゼロX号」プラモ(当時200円)で我慢するしかなかったのであった…。

00302.jpg
───《中略》───
 著者の後年の今井科学への取材では、電動ゼロX号プラモ金型は米国プラモ会社に売却され、ブラジル生産工場で行方不明となったらしいと聞かされた。結論から言えばこれは、米国パラマウント社の電動「ゼロX号」プラモが70年以降も売れ残っていたために、米国プラモ会社の下請けブラジル工場で生産されていたと勘違いした話だったようだ…。
 さらに後年の2003年2月末のIMAI(90年代に社名変更)倒産解散時に、著者が譲り受けたプラモ金型の設計図面の中には、バンダイ模型から発売された4種の『サンダーバード』の図面は無かったのだが、何故か電動「ゼロX号」プラモの図面が残されていた。つまり、図面が無くてもプラスチック部品は生産可能だろうが、金属部品やタイヤなど付属部品の詳細が不明で再生産が不可能だったのではないだろうか…と、04年「サンダーバード・メカニックファイル」本の編集作業中に、設計図面を改めて整理した時にやっと気付いたのであった。

00303.jpg
───《中略》───
 柿沼氏から「バンダイ新工場の金型倉庫で電動「ゼロX号」プラモ金型が発見された」との電話は、集英社「完全版サンダーバード全記録集ストーリーファイル」の編集&監修が佳境に入った時であった。そして電撃ホビーマガジン誌での金型発見と復刻作業の記事を連載したいとのことで資料協力することとなった。願ってもないことだ。完全復刻するには、ギア・ボックスやゼンマイ部品など金型部品とタイヤの形状を記した設計図面が必要に違いない。著者が廃棄される寸前だった金型図面を譲り受けたのは、このためでもあったのだ! 
 2度めの資料受け渡しの際、トイズワークスの加藤智氏らも訪れ、復刻への意見を求められた。「仮面ライダー変身ベルト」のように、大人になった多くのファンは当時買えなかった物を、ある程度の金額までなら要望している。加えて、無動力化したために不人気となった復刻プラモは多い。倒産前のIMAIは鉄人28号の歩行ギア・ボックスを再製作、それを他のプラモに転用、色変え再販品を多く発売し、それなりに人気を博した。ゼンマイの省略はいたしかたないが、ファンとしてせめて電動機構の再現とデカール付属の「限定版プラモ」を要望した。そして「新世紀合金ゼロX号」程度の値段でも納得するだろうと意見した。そして電動版モデルの発売後に、改造&部品取り用に安価のディスプレイ版も可能とも提案。いっそホームページを作って、ファンの意見をマーケティング&購入予約してもいいだろう…と。しばらくして、図面とゼンマイ、ギア・ボックス、タイヤなど付属部品の現物を、検討素材として拝借したいとのトイズワークスから連絡があった。少々期待ができるようになってきた…。

文/伊藤秀明
月刊電撃ホビーマガジン3月号(メディアワークス発行)
hobbylogo.gif

© ITC

投稿者 TOYSWORKS : 2007年04月05日 15:37

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kawasemistyle.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/45

コメント

コメントしてください

サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)

(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


情報を登録する?