2008年01月31日
34
第34回 噂の自動浮沈装置!
ミドリ『スティングレイ』

『サンダーバード』の前哨作品と位置づけられるSF人形劇・原題『STINGRAY』は日本では『海底大戦争スティングレイ』のタイトルで1964年から放送された。プロデューサーのジェリー・アンダーソンは、スティングレイ(赤エイ)は獰猛な海の生き物と勘違いしてタイトルにしたが、後にそうでないとを知ったという。本作品は英国での初のカラー放送作品だ。しかし当時日本ではまだ大半の家庭のTVモニターはモノクロであったため、鮮明なスチル写真を使用したミドリの『ビッグスティングレイ(当時500円・モーター航行)』のパッケージは貴重な資料だった。船体のカラーリングが、こんなに輝度の高い色調だったと言う事はミドリの箱で知った。
発売は先に紹介したミドリの『ビッグシービュー号』とほぼ同じ1969年と、放映時期よりも随分と後になってからだ。手元にあるのは当時『スティングレイ・大』と呼ばれていた300円のキットの1983年再販版と、当時150円だったゴム動力版だ。大の方は自動浮沈ギミックと室内灯が点灯し、2色の塗料が付属していた。
ミドリはシービュー号やこのスティングレイの各種プラモの水中航行アクションがお得意だった。モーターを水密ボックスに封じ込めスクリュー・シャフト部分に付属しているグリスを塗って防水。電池ボックスには防水ゴムパッキン付き、という構成で、配線、組み立てがなかなか面倒だった。モーターシャフトとスクリューをゴムチューブで連結させたり電池ボックスの蓋はねじ止め、などなど、なかなか凝った造りになっているが、反面、船体の上下を一度貼り合わせてしまうと、船体内部でリード線の断線や浸水が起こっても二度と対処出来なかった。
船体を浸水させて走らせると、潜航し、水中でキャビン上部の潜望鏡が水流を受けて後ろに倒れ、連動しているフィンの角度が変わり浮上する、という仕組みだ。ただ当時これを子供たちが潜航させて遊べるようなプレイスペースは少なく、自宅に風呂がある家庭でもそんなに大きくはなく、せいぜい公園の池で進水式をするしかなかった。当時多くの池の底にはこれらミドリのキットたちが沈んでいたはずだ。
組立図は解り易く組み立てを説明していたが、なぜ腹にスキッドを取り付けなくてはいけないのか、フィンのシャフト中心部になぜ3ミリナットをねじ込まなくてはいけないのか、などなどが全く説明されていなかった。組み立終わって初めてフィンを前に傾ける必要があり、そのための重りとしてナットが必要だったんだ・・・と理解出来た。キャノピーにもセメントを二度塗れ、としか書かれていない。「キャビンは空気室なので水が入らないように透明部品と本体との間には絶対に隙間が出来ないようにセメダインを何度か重ねて塗りましょう」・・・という一言が無いのだっ!・・・と今頃キレても仕方がない。今後の人生に活かすようにしたい。
そんなわけで筆者も友達のミドリのキットの進水式には何度も立ち会ったが、自分のキットを進水させる勇気は無かった。代わりに銭湯のすいている時間に持って行って航行させたが、自動浮沈のスパンほど銭湯の湯船も広くはなく、その真価を発揮せずじまいだった。


投稿者 TOYSWORKS : 2008年01月31日 15:37
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kawasemistyle.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/156
コメント
コメントしてください
サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)
(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)